母、物忘れ・・診察

ここ数年来、物忘れが気になりだした母の診察付き添い。

主治医は、私がはじめに勤めた施設の医師の息子さん、なんというめぐり合わせか?

とても丁寧で一時間ほどかけていろいろと検査の説明をしてくださった。

85歳以上では2人に一人が認知症を発症しますと・・。(わかっちゃいるが・・)

85歳という年齢で、よく一人で頑張ってこれていること自体と素晴らしいとほめてくださった。

あらゆる心理検査などの結果からも、本人自身も気にしていた記憶に関する項目の失点が目立った。MRIの画像を見るとちょうど海馬の部分が萎縮していて、生活機能面は保たれているが、アルツハイマー認知症の初期という診断結果だった。

母は、先生から正面からそう告げられた。「正直、ショックです」と吐露した。

でも、これは精神病ではなく、脳の老化、脳の病気なので、早期発見、治療が大切。

そして何より早く見つけられたことは幸いなことだと告げられた。

進行していくのだということも、そして、進行してしまったものをもどすことはできないとも説明された。

でも進行予防できる!それは、早く発見できたいまだからこそと。

先生は、コロナ禍で活動が制約されたことが大きく、認知症の患者が増えたと現場の肌感としてはあると言われていた。母も、長年自らが提供してきた活動がやむなく休止となってしまったことで、それまでの生活リズム、活動量が減少したのは間違いない、そして、その影響が、記憶力の低下や筋力の低下にもつながっている。自らの老いを情けなく思い、記憶力の低下に関しては特に不安を覚えていた。

主治医からは、まず認定の申請を進めましょうと言われ、一番の薬はなくなってしまった活動を補うこと、身体の健康状態と脳の健康状態を合わせるようにしましょうと言われた。もちろん、進行予防のためにお薬の服用も・・。

デイサービス、デイケア、機能訓練、、活動を提供する側から、受ける側になることへの抵抗感をいかにして・・・。まずは、申請から・・悩ましい課題である。

今まで、長年施設で、多くのお年寄り、認知症高齢者に寄り添い、看取ってきた故、いろいろなことが知識や経験でもわかっているだけに、先々のことが思いめぐらされ、ぐるぐる回り、一体この先どうするんだ?と心がざわざわ、、泣きたいのに泣けない、涙が出そうで出ずに胸が苦しい・・。悲しいのかなんだかわからない、、動揺。

母と食事をし、家に送り届けるまでは、気丈に対応していたが、帰りの車では放心状態。本人がショックを受けるであろうと想定していたとおり、ショックだ、そんな大変な病気なんやったら死にたいわとつぶやいている母の姿。現実をうけいれないと仕方ないんだけど、、私自身も正直ショックを隠せない。とりあえずは、包括のCMには伝えた。それだけするのが、今は、精いっぱい・・。

そして、帰りに教会にたちより、牧師に話し、祈ってもらった。